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「生活設計」とは実行するための計画

預金の安全性ということで現在の保険機構などについて述べましたが、現在の低金利時の中でもできるだけ有利に運用していく方法については、前述のような、いわゆるマル優制度な1どの「非課税制度」や障害者に対する特別措置などを活用して、各々のケースに合った「生活設計」を立てていくことが大切なことといえます。
さて最後に、このような不安定な時代に生活設計を立てるためには、みんながどのような運用を考えているのか、一般的な傾向を述べたいと思います。
最近はやはり、安全性を重視して、国が管理している郵便貯金を優先させている人が多いようです。ただし、郵便貯金は1人最高1000万円までしか預け入れることはできないため、それ以上お金がある場合は、大手の銀行などで預金保険機構の対象となる金融商品を選択しています。
ただし預金保険機構も実際は、資金量(責任準備金といいます)が現在不足しており、現制度では実際どこまでカバーできるかは疑問です。現時点で預金保険機構の対象になっているか否かをそれほど心配することはないと思われます。ただ、今後は評価の高い大手の金融機関を選ぶようにしたり、預金保険の対象商品に預けるなど、考えなければならない時代に入ってきていると思われます。
現在の金利水準からして、5年の定期預金といった長期の固定金利商品は避けた方が無難でしょう。今後金利が徐々に上がることを想定し、公社債投信中国ファンド、変動金利預金などを検討することもよいでしょう。
また、郵便局の定額貯金も6ケ月据置後はいつでも解約でき、金利水準を見守りながら安全運用するためには最適ともいえます。
現在のような不安定な時期は、財産を殖やすというより、むしろいかに減らさずに守っていくかということが最大のテーマになっています。
障害を持つ子どもの今後の大切な生活費という資金であればなおさら、保全の感覚が求められるでしょう。
肢体不自由児者と家族のための、安定した「生活設計」を立てるには急ぐ必要はありません。
じっくり計画を立てて目的や必要時期を決めてから行動に移って下さい。
ただし考えているだけでは進みません。
「生活設計」とは、安心と安定した生活を実行するための計画なのだということを忘れないようにしましょう。

 

 

 

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